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親の葬式代がないと焦る前に。知恵袋より確実な支援制度と費用の抑え方

親の葬式代払えない 知恵袋 (1)
監修
行政書士法人杉山事務所
所属行政書士会:大阪会 / 登録番号:22260069
運営者
ニコニコ終活責任者 飯塚
ニコニコ終活(担当:飯塚)
相談対応毎月10,000件以上

親が亡くなったのに、葬式代を払えるだけのお金が手元にない。そうした状況は決して珍しくありません。知恵袋にも同じ悩みが数多く寄せられています。

葬儀の費用は、形式を選び直すだけで大きく下げられます。さらに、公的な制度を使えば自己負担をゼロに近づけられる場合もあります。ただし、制度の中には葬儀の前に申請しないと使えないものがあるため、葬儀社と契約する前に確認することが大切です。

この記事では、状況別に使える方法、費用を最も抑えられる葬儀の形、当面の現金の用意の仕方、葬儀後に戻ってくるお金、そしてどうしても払えない場合の対応までを順に説明します。

この記事の要点

  • 費用を最も抑えられるのは、通夜・告別式を行わない直葬(火葬のみ)。
  • 生活に困っている場合は葬祭扶助が使える可能性がある。必ず葬儀の前に福祉事務所へ相談する。
  • 故人の預金は、口座が凍結されても1つの金融機関につき150万円まで引き出せる制度がある。
  • 葬儀の後には、健康保険から葬祭費・埋葬料が支給される。
目次

親の葬式代がないときに使える方法【状況別の早見表】

親の葬式代がないときに使える方法

自分の状況に近いものから確認してください。複数を組み合わせることもできます。

あなたの状況使える方法ポイント
生活保護を受けている、または生活が苦しく葬儀費用を出せない葬祭扶助葬儀の前に福祉事務所へ申請。火葬を中心とした最低限の費用が支給される
故人に預貯金がある預貯金の払戻し制度口座が凍結されても、1つの金融機関につき150万円まで引き出せる
故人が生命保険に入っていた死亡保険金の請求受取人が請求すれば、比較的早く支払われることが多い
今は払えないが、後からなら払える葬儀ローン・クレジットカード支払いを先に延ばせる。手数料や金利を確認する
できるだけ安く済ませたい直葬(火葬のみ)・市民葬や区民葬通夜・告別式を省くと、費用を大きく抑えられる
葬儀の後に負担を減らしたい葬祭費・埋葬料、香典健康保険から数万円が支給される。申請が必要

費用を最も抑えられる葬儀の形

費用を最も抑えられる葬儀の形

葬儀の費用は、どの形式を選ぶかで大きく変わります。まずは形式ごとの費用の目安を確認しましょう。

葬儀の形式費用の目安内容
葬祭扶助が認められた場合自己負担なし(原則)火葬を中心とした最低限の内容。自治体が葬儀社に費用を支払う
直葬(火葬のみ)15万〜40万円程度通夜・告別式を行わず、安置の後に火葬する
一日葬30万〜50万円程度通夜を行わず、告別式と火葬を1日で行う
家族葬約100万円家族や親しい人だけで、通夜と告別式を行う

費用は地域によって差があります。特に火葬料は、公営の火葬場がある地域では住民なら無料〜数万円で済む一方、東京23区のように民営の火葬場が多い地域では、火葬料だけで10万円近くかかることがあります。

直葬(火葬のみ)を選ぶ

費用を根本から抑えたい場合、最も現実的なのが直葬です。祭壇や会場、飲食、返礼品などの費用がかからないため、一般的な葬儀の数分の一で済みます。ただし、お別れの時間が短くなるため、親族には事前に事情を伝えて理解を得ておきましょう。菩提寺がある場合は、直葬にすると納骨を断られることもあるため、先に相談しておくと安心です。流れや注意点は直葬(火葬のみ)の流れと費用で説明しています。

市民葬・区民葬を使う

自治体によっては、地域の葬儀社と提携して、決まった価格で葬儀を行える制度を設けています。市民葬や区民葬と呼ばれ、故人や喪主がその自治体の住民であることなどが条件です。制度があるかどうかは、役所の窓口やホームページで確認できます。

総額で比べ、予算を正直に伝える

広告の基本料金が安くても、搬送距離、安置の日数、ドライアイス、火葬料などが別料金で加わり、最終的に予算を大きく超えることがあります。見積もりは2〜3社から取り、火葬料まで含めた総額で比べてください。予算が限られていることを最初に伝えれば、その範囲で実現できるプランを出してもらえます(→葬儀社の選び方)。

葬儀の前に申請が必要な「葬祭扶助」

葬祭扶助は、生活保護制度の一つで、葬儀を行う人が経済的に困窮している場合に、火葬などの最低限の費用を自治体が負担する制度です。

使える可能性があるケース

  • 葬儀を行う遺族(喪主)が生活保護を受けている、または生活が苦しく葬儀費用を出せない
  • 生活保護を受けていた故人に、葬儀を行う身寄りがなく、家主や民生委員などが代わりに葬儀を行う

「故人が生活保護を受けていた」だけでは対象にならず、葬儀を行う人に支払い能力があるかどうかで判断されます。逆に、今は生活保護を受けていなくても、葬儀費用を出せないほど困窮していれば対象になる可能性があります。

必ず葬儀の前に申請する

申請先は、喪主が住む地域(または故人が亡くなった地域)の福祉事務所です。葬儀を行った後や、費用を支払った後の申請は原則として認められません。亡くなったら、葬儀社と契約する前に福祉事務所へ連絡してください。葬祭扶助に対応している葬儀社に相談すれば、手続きの進め方も教えてもらえます。

支給される範囲と注意点

支給されるのは、ご遺体の搬送、棺、火葬、骨壺など、火葬に最低限必要な費用です。上限額は地域によって異なり、大人でおおむね20万円前後が目安です。通夜や告別式の費用は対象外で、自分でお金を足して内容を増やすと、扶助が認められなくなる場合があります。詳しくは生活保護受給者が亡くなった際の葬儀費用と申請手順で説明しています。

当面の葬儀費用を用意する方法

葬儀費用は、葬儀の後すぐ、または数日以内に支払いを求められるのが一般的です。給付金が振り込まれるのを待っていては間に合わないため、当面の資金をどう用意するかを先に考えておきましょう。

故人の預金を「払戻し制度」で引き出す

銀行が名義人の死亡を知ると、口座は凍結されます。ただし2019年から、遺産分割の話し合いが終わる前でも、相続人が単独で一定額を引き出せるようになりました。引き出せる額は「亡くなった時点の預金額 × 3分の1 × その相続人の法定相続分」で、1つの金融機関につき150万円が上限です。

手続きには、故人の出生から死亡までの戸籍謄本などが必要で、書類がそろうまで時間がかかることもあります。ゆうちょ銀行の手続きはゆうちょ銀行で葬儀費用を引き出す方法で詳しく説明しています。

生命保険の死亡保険金を請求する

故人が生命保険に入っていれば、受取人が請求することで死亡保険金を受け取れます。書類がそろえば比較的早く支払われることが多く、葬儀費用に充てやすいお金です。死亡保険金は受取人自身のお金として扱われるため、相続放棄をした場合でも受け取れます。通帳の引き落としや郵便物から、加入している保険がないか確認してみてください。

葬儀ローン・クレジットカードで支払いを延ばす

多くの葬儀社は、信販会社と提携した葬儀ローンを用意しています。審査はありますが、手元の現金が少なくても葬儀を依頼できます。クレジットカード払いに対応している葬儀社も増えており、引き落とし日までの1〜2か月の間に、払戻しや給付金の手続きを進めることができます。どちらも、手数料や金利を含めた総額と、利用できる限度額を事前に確認してください(→葬儀費用をローンで支払う仕組み)。

故人のお金を使うときの注意点

故人に借金があるなどの理由で相続放棄を考えている場合は、故人の預金に手をつける前に注意が必要です。故人の財産を使うと、相続を認めたとみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります。常識的な範囲の葬儀費用であれば問題にならないとした裁判例もありますが、判断は個別の事情によります。詳しくは故人の貯金から葬儀費用を払う方法と相続放棄の注意点を確認してください。

葬儀の後に受け取れるお金

葬儀の後に受け取れるお金

次の給付は、自動的には振り込まれません。申請の期限もあるため、葬儀が終わったら早めに手続きしてください。

給付対象金額の目安申請先・期限
葬祭費故人が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入1万〜7万円程度(東京23区は7万円)市区町村の窓口。葬儀を行った日の翌日から2年
埋葬料故人が会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入5万円勤務先の健康保険。亡くなった日の翌日から2年
未支給年金故人が年金を受け取っていたまだ受け取っていない分年金事務所。5年
遺族年金故人に生計を支えられていた配偶者や子など加入状況によって異なる年金事務所

葬祭費の申請方法は葬祭費を役所の窓口で請求する手順、未支給年金は未支給年金を葬儀費用に充てる手続きで説明しています。いただいた香典も、葬儀費用の一部に充てることができます。

葬儀費用は誰が払う?兄弟や親族で揉めないために

葬儀費用を誰が負担するかを定めた法律はありません。一般的には喪主が負担することが多く、葬儀を主宰した人が負担すべきとした裁判例もあります。一方で、故人の遺産から支払ったり、兄弟で分担したりすることも、家族の話し合いで自由に決められます。

揉めないためには、葬儀の前に「どの形式で、総額いくらで、誰がどう負担するか」を兄弟で共有しておくことが大切です。故人の遺産から支払う場合は、領収書と明細をすべて保管し、ほかの相続人に説明できるようにしておきましょう(→親の葬儀代は長男が負担すべきか、兄弟での葬儀費用の分担と話し合い方)。

どうしても払えない・引き取れないとき

ここまでの方法を使っても費用を用意できない場合は、一人で抱え込まず、まず福祉事務所に相談してください。葬祭扶助の対象になるかどうかを判断してもらえます。

また、ご遺体を引き取って葬儀を行う人がいない場合は、法律にもとづいて亡くなった場所の市区町村が火葬を行います。ただし、かかった費用は故人の遺産から充てられ、足りない分を相続人などに請求されることがあります。遺骨は一定期間保管された後、合葬されるのが一般的です。安易に選べる方法ではないため、どういう流れになるのかを知ったうえで判断してください(→市役所が対応する無縁仏の流れ、親の遺骨の引き取りを拒否する場合の対処法)。

よくある質問

お葬式をしないことはできますか?

できます。葬儀を行う法律上の義務はありません。ただし火葬は必要なため、少なくともご遺体の搬送・安置・火葬の費用はかかります。これが直葬(火葬のみ)です。

生活保護を受けていなくても葬祭扶助は使えますか?

葬儀費用を出せないほど生活が苦しい場合は、対象になる可能性があります。収入や資産の状況を確認したうえで判断されるため、葬儀の前に福祉事務所へ相談してください。

葬儀社に「お金がない」と伝えても大丈夫ですか?

大丈夫です。最初に予算を伝えたほうが、その範囲で実現できるプランを提案してもらえます。予算を伝えても追加の提案を重ねてくる葬儀社は、避けたほうが安心です。

葬儀費用は後払いにできますか?

葬儀社によって異なります。葬儀の後、数日から1週間程度で支払う形が多く、葬儀ローンやクレジットカード払いに対応している葬儀社もあります。見積もりの段階で支払い方法と期限を確認しておきましょう。

故人が亡くなる前にできることはありますか?

危篤の段階であれば、葬儀社の比較や、故人の預金・保険の確認を進めておけます。詳しくは危篤のうちに家族が準備しておくことで説明しています。すでに亡くなって何から始めればよいかわからない場合は、家族が亡くなった直後にすることを確認してください。

まとめ

親の葬式代がないときは、まず葬儀の形式を直葬などに見直し、使える制度を確認することから始めましょう。生活が苦しい場合の葬祭扶助は、葬儀の前に申請しないと使えません。当面の資金は、故人の預金の払戻しや生命保険、葬儀ローンなどで用意でき、葬儀の後には葬祭費や埋葬料が支給されます。

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