葬儀保険はいらない?不要と言われる理由と必要な人

葬儀保険 いらない
監修
行政書士法人杉山事務所
所属行政書士会:大阪会 / 登録番号:22260069

葬儀保険への加入を検討しているものの、本当に必要なのか、それとも無駄なのか分からず悩んでいる方は少なくありません。老後の資金繰りや家族への負担を考えると、少しでも賢い選択をしたいと思うのは当然のことです。

この記事では、葬儀保険がいらないと言われる具体的な理由や、逆に加入しておいた方が良い人の条件を専門的な視点から詳しく解説します。

目次

葬儀保険がいらないと言われる5つの理由

葬儀保険は、その名の通り葬儀費用の準備に特化した保険ですが、多くの専門家や経験者が「不要」だと指摘することがあります。なぜ、あえて保険に入る必要がないと言われるのでしょうか。ここでは、葬儀保険という仕組みの構造的な欠点や、他の手段と比較した際のデメリットについて、5つのポイントから掘り下げていきます。

なぜ不要という意見が多いのか

  • 支払う保険料が受け取れる保険金より高くなる可能性がある
  • 葬儀費用は貯金で備える方が効率的である
  • 既に加入している生命保険で葬儀費用をカバーできる
  • 保険金の使い道が限られている少額短期保険が多い
  • 高齢で加入すると掛け金が割高になり家計を圧迫する

支払う保険料が受け取れる保険金より高くなる可能性がある

葬儀保険の多くは「掛け捨て型」の少額短期保険です。高齢になってから加入する場合、毎月の保険料は決して安くありません。例えば、80歳で加入して90歳まで生きた場合、10年間で支払った保険料の総額が、最終的に受け取れる保険金(例:100万円)を上回ってしまう、いわゆる「元本割れ」の状態になるリスクが非常に高いのです。長生きすればするほど損をしてしまうという構造が、合理的ではないと判断される最大の理由です。

葬儀費用は貯金で備える方が効率的である

保険は、万が一の際に「支払った額以上の保障」を得るためのものですが、葬儀は誰にでも必ず訪れるイベントです。確実に発生する費用であれば、保険会社の手数料や運営費が含まれた保険料を払うよりも、自分で現金を積み立てておく方がコストパフォーマンスは高くなります。貯金であれば、もし葬儀費用が安く済んだ場合に残りの現金を他の生活費や遺産として自由に活用できるため、柔軟性という点でも貯金に軍配が上がります。

既に加入している生命保険で葬儀費用をカバーできる

多くの方は、現役時代から何らかの生命保険(終身保険や定期保険)に加入しています。もし、既に死亡時に数百万円単位の保険金が出る契約があるならば、わざわざ追加で葬儀専用の保険に入る必要はありません。葬儀費用は一般的に100万円から200万円程度と言われていますが、既存の保険金で十分に賄えるのであれば、葬儀保険の保険料は単なる二重払いになってしまいます。まずは今加入している保険の証券を確認することが先決です。

保険金の使い道が限られている少額短期保険が多い

葬儀保険の多くは、最大でも300万円程度の保障にとどまる少額短期保険です。これはあくまで「葬儀費用の補填」を目的としているため、残された家族の生活費や、相続税の支払い、家の片付け費用など、死後に発生する多額の諸費用をカバーするには力不足です。同じ保険料を払うのであれば、より幅広い用途に使える一般的な終身保険や、現金として手元に置いておく方が、残された家族にとっては助かるケースが多いのが現実です。

高齢で加入すると掛け金が割高になり家計を圧迫する

葬儀保険は高齢者の加入を前提としているため、加入時の年齢が上がれば上がるほど、月々の保険料は跳ね上がります。年金生活の中で、毎月数千円から一万円以上の保険料を支払い続けるのは大きな負担です。生活を切り詰めてまで保険料を払った結果、日々の生活の質が落ちてしまっては本末転倒です。また、更新のたびに保険料が上がるタイプもあり、最終的に支払えなくなって解約してしまうと、それまで払ったお金が一切戻ってこないという悲劇も起こり得ます。

保険はあくまで「万が一」への備えです。確実に発生する葬儀費用に対しては、まずは手元の現預金で対応できないかを冷静にシミュレーションしてみましょう。

葬儀保険が必要な人の特徴と加入を検討すべき3つのケース

一方で、すべての人に葬儀保険がいらないわけではありません。状況によっては、保険という仕組みを使うことで大きな安心を得られる方もいます。どのようなライフスタイルや資産状況であれば、葬儀保険のメリットがデメリットを上回るのか。ここでは、加入を前向きに検討すべき人の特徴を詳しく解説します。

メリットを最大限に活かせるのはどのような人か

  • まとまった貯金がなく葬儀費用の準備に不安がある人
  • 持病があり通常の生命保険への加入を断られた人
  • 遺族に現金を即座に渡して負担を軽減したい人

まとまった貯金がなく葬儀費用の準備に不安がある人

現在、手元に100万円単位のまとまった余剰資金がなく、かつ今後も大きな貯金ができる見込みがない場合、葬儀保険は非常に有効な「セーフティネット」になります。加入した直後であっても、万が一のことがあれば契約した保険金が支払われるため、貯金が貯まるのを待つ余裕がない状況の人にとっては、月々わずかな支払いで「葬儀代が出せない」という最悪の事態を回避できる唯一の手段となり得ます。

持病があり通常の生命保険への加入を断られた人

一般的な生命保険は健康状態の審査が厳しく、過去の病歴や持病(糖尿病や高血圧など)があると加入できないことがよくあります。しかし、葬儀保険(特に引受緩和型や無選択型)は、告知項目が非常にシンプルで、持病があっても加入しやすいのが特徴です。「自分はもう保険には入れない」と諦めている方でも、葬儀費用だけは家族に遺したいと願う場合、葬儀保険は有力な選択肢となります。健康不安がある層にとって、この「入りやすさ」は最大のメリットです。

遺族に現金を即座に渡して負担を軽減したい人

人が亡くなると、銀行口座は一時的に凍結されます。遺産分割協議が整うまで、故人の預金を引き出すには手間と時間がかかるため、葬儀費用の支払いに間に合わないというケースが多々あります。その点、葬儀保険は「受取人」を指定して契約するため、死亡診断書の提出から数日で保険金が支払われる仕組みが整っています。遺族が一時的に数百万円を立て替える負担を物理的に、そして精神的に減らしてあげたいと考えるなら、保険という形にする価値は十分にあります。

貯金がない方や健康に不安がある方にとって、葬儀保険は家族への最後の優しさになります。ご自身の健康状態と相談しながら検討してみてください。

葬儀保険と現金貯金はどちらが得か費用と利便性を比較

葬儀費用への備えとして「保険」を選ぶか「現金(貯金)」を選ぶかは、終活における最大の悩みどころです。それぞれの特性を比較表にまとめました。

比較項目葬儀保険(少額短期保険)現金貯金
コストパフォーマンス長生きすると元本割れのリスクあり100%自分のお金として活用可能
資金の即時性請求から数日で支払われ、凍結されない口座凍結により引き出しに時間がかかる
用途の自由度主に葬儀や死後事務費用に限定生活費、医療費、レジャー等に自由
加入のしやすさ高齢・持病があっても加入しやすい年齢制限なく誰でも可能
資産価値掛け捨てが多く、資産としては残らない相続財産としてそのまま遺せる

この表から分かる通り、経済的な「得」を優先するなら圧倒的に現金貯金です。しかし、銀行口座の凍結というリスクや、今すぐ亡くなった場合の保障という「スピードと安心」を優先するなら、葬儀保険に分があります。どちらが正解ということはなく、現在の貯蓄額と、いつ何が起きてもおかしくないというリスクをどう捉えるかによって、選ぶべき道は変わってきます。

数字上の損得だけでなく「今もしものことがあったら家族はどう動くか」というシミュレーションをすることが、後悔しない選択の第一歩です。

葬儀保険を選ぶ際に後悔しないための重要なチェックポイント

もし「自分には葬儀保険が必要だ」と判断した場合でも、安易に契約してはいけません。葬儀保険は商品によって条件が大きく異なり、中には「こんなはずではなかった」と後悔するケースも存在します。契約前に必ず確認しておくべき3つの急所を解説します。

契約前に必ず確認すべき項目

  • 請求から支払いまでのスピードが早いかどうか
  • 保険料が年齢とともに上がらないか更新時の条件
  • 加入できる年齢と保障が続く期間の確認

請求から支払いまでのスピードが早いかどうか

葬儀保険の存在意義は「急な出費への対応」です。それなのに、支払いまでに2週間も3週間もかかるようでは、葬儀社への支払いに間に合いません。最短で翌営業日、遅くとも数日以内に振り込まれる体制があるかどうかを確認してください。特に「現金即日支払いサービス」などを謳っている商品は、遺族の立て替え負担をゼロにできるため、非常に優先順位が高くなります。

保険料が年齢とともに上がらないか更新時の条件

葬儀保険には、加入時の保険料がずっと変わらない「平準払い型」と、更新のたびに(5歳刻みなどで)保険料が上がっていく「ステップ払い型」があります。一見、ステップ払い型は加入当初の保険料が安くて魅力的に見えますが、80代、90代になった時に保険料が高騰し、維持できなくなるリスクがあります。ご自身が何歳まで生きるかを想定し、長期的に見て無理のない支払い計画が立てられる商品を選んでください。

加入できる年齢と保障が続く期間の確認

多くの葬儀保険は85歳や89歳まで加入可能ですが、問題は「いつまで保障が続くか」です。一部の商品には「99歳で終了」といった期限があるものもあり、それを超えて長生きした場合、最も保障が必要な時期に無保険になってしまう恐れがあります。一生涯の保障(終身保障)があるのか、それとも更新に上限があるのか。また、更新時に健康状態の再審査がないかどうかも、老後の安心を左右する重要なチェック項目です。

パンフレットの表紙にある「月々◯◯円〜」という言葉だけで判断せず、将来の保険料推移を必ず担当者に確認しましょう。

葬儀保険に関するよくある質問

葬儀保険の平均的な月額保険料はいくらくらいですか?

加入時の年齢や保障額によりますが、70歳で100万円の保障を準備する場合、月々3,000円から5,000円程度が一般的です。ただし、80代を超えると5,000円から1万円を超えることも珍しくありません。掛け捨てであることを考慮し、ご自身の収支バランスに合っているかを慎重に見極める必要があります。

80歳を過ぎて持病があっても本当に入れますか?

はい、多くの葬儀保険(少額短期保険)は80代でも加入可能です。また「引受緩和型」というタイプを選べば、3〜4つの簡単な質問(現在入院していないか、3ヶ月以内に手術の予定はないか等)に答えるだけで、持病がある方でも加入できるケースがほとんどです。ただし、加入から1年以内は病死の場合の保険金が半額になるなどの制限がある場合が多いため、契約内容は細かくチェックしてください。

葬儀保険を途中で解約した場合、お金は戻ってきますか?

葬儀保険の多くは「掛け捨て型」であるため、解約返戻金(戻ってくるお金)は全くないか、あってもごくわずかです。貯蓄性はありませんので、あくまで「保障を買う」ためのコストと割り切る必要があります。解約して損をしたくないという方は、解約返戻金がある「終身保険」を検討すべきですが、その分月々の保険料は葬儀保険よりも高額になります。

ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:よくある質問への回答はあくまで一般的なものです。個別の事情によって最適な回答は異なりますので、少しでも疑問があれば専門家への確認を怠らないでください。

まとめ

葬儀保険は、既に十分な蓄えがある方や他の生命保険に加入している方には「いらない」ものですが、貯金が少ない方や健康に不安がある方にとっては、家族に負担をかけないための貴重な手段となります。

大切なのは保険という手段単体で考えるのではなく、葬儀後の手続きや遺品整理、さらにはご自身の身元保証まで含めた全体的な「終活設計」の中で、本当に保険が必要なパートがあるのかを見極めることです。

ニコニコ終活は全国対応で、何度でも完全に無料で相談できます。保険の要否だけでなく、葬儀の生前予約や死後事務委任など、あなたの不安に合わせた最適なプランを専門家が一緒に考えますので、まずはお気軽にご相談ください。

ニコニコ終活
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