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危篤からなかなか死なない!その間に家族が準備すべきこと

危篤なかなか死なない
監修
行政書士法人杉山事務所
所属行政書士会:大阪会 / 登録番号:22260069
運営者
ニコニコ終活責任者 飯塚
ニコニコ終活(担当:飯塚)
相談対応毎月10,000件以上

医師から「今夜が山です」と言われたのに、数日、ときには1週間以上も危篤の状態が続くことは珍しくありません。

いつ連絡が来るかわからない緊張が続くと、心も体も消耗します。「早く楽になってほしい」と思ってしまう自分を責めている方もいるかもしれませんが、それは長く看病してきた人の多くが抱く自然な気持ちです。

この記事では、危篤が長引く理由と、亡くなるまでに見られる体の変化の目安、そしてこの時間のうちに済ませておくと後で慌てずに済む準備を順に説明します。

この記事の要点

  • 危篤が数日〜1週間以上続くことは珍しくない。医療処置や本人の体力によって経過は大きく変わる。
  • 長引いている今のうちに「葬儀社と安置場所」「当面のお金」「連絡先」の3つを決めておくと、亡くなった直後に慌てずに済む。
  • 看病する家族が倒れないことも大切。交代で休むのは、見捨てることではない。
目次

危篤からなかなか亡くならない3つの理由

危篤は医学的な病名ではなく、容体が悪化して命の危険が差し迫った状態を指す言葉です。医師の「あと数時間」「今夜が山」は、それまでの経過や検査の数値から見た目安であり、実際の経過は人によって大きく異なります。

危篤からなかなか亡くならない主な要因(医療による生命維持・心肺機能の強さ・会いたい人を待つ気持ち)

点滴や酸素などの医療処置で体が支えられている

点滴や酸素吸入、血圧を保つ薬などは、病気そのものを治すものではなくても、弱った心臓や呼吸を支えます。こうした処置を続けているあいだは、予測より長く状態が保たれることがあります。処置を続けるか控えるかは、本人の希望をふまえて医師とよく話し合って決めることです。

もともとの心臓や体力が強い

心臓が丈夫な方は、呼吸が不規則になっても脈が保たれ、数日間持ちこたえることがあります。高齢でも持病以外は元気だった方ほど、経過が長くなる傾向があります。

会いたい人を待っているように見えることがある

遠方の家族が到着した直後や、家族がそろって声をかけた後に息を引き取るケースは、看取りの現場でよく語られます。医学的に説明できることではありませんが、「待っていてくれた」と受け止めることで気持ちが整理できたという遺族は少なくありません。

一時的に意識が戻ったり、会話ができるようになったりして、持ち直したように見えることもあります。回復の見込みや「中治り」と呼ばれる現象については、危篤から持ち直す確率と回復のサインで詳しく説明しています。

危篤はどのくらい続く?亡くなるまでの目安と体のサイン

危篤と告げられてから亡くなるまでの期間は、数時間から数日のことが多い一方、1週間以上続くこともあります。はっきりした日数は医師にも予測が難しいため、体に現れる変化を目安にするのが現実的です。

時期の目安よく見られる変化家族ができること
1〜2週間前ごろ眠っている時間が長くなる。食事や水分をほとんどとらなくなる。つじつまの合わないことを話す(せん妄)無理に食べさせず、口を湿らせる程度にする。普段どおり話しかける
数日前ごろ尿の量が減る。手足が冷たくなる。皮膚に紫色のまだら模様が出る手足をさする。体の向きや姿勢を看護師と相談して整える
数時間〜1日前ごろ下あごを動かすような呼吸(下顎呼吸)。呼吸が止まっては再開する。喉がゴロゴロ鳴る(死前喘鳴)家族を呼ぶべきかを医師や看護師に確認する

これらはあくまで一般的な目安で、順番どおりに現れるとは限りません。「そろそろ家族を呼ぶべきか」は、遠慮せず担当の医師や看護師に聞いてください。

危篤が続く日数の目安は危篤と言われたら何日もつ?で、亡くなる前に見られる言動の変化は死期が近い人の特徴で、さらに詳しく説明しています。

危篤が長引いている今のうちに準備しておくこと

事務的な準備を進めることに後ろめたさを感じる方は多いですが、病院で亡くなった場合は、数時間以内に搬送先を決めるよう求められるのが一般的です。気持ちに余裕がないその瞬間に、葬儀社や費用を一から調べるのはとても大変です。時間がある今のうちに決められることを決めておけば、最期の時間をお別れに使えます。

逝去直後に必要となる手続きリスト(連絡名簿の整理・葬儀社の選定と安置場所の決定・死亡診断書の受け取り方法の確認)

今のうちに確認しておきたいこと

タップするとチェックできます(保存はされません)

葬儀社を決め、搬送を頼める状態にしておく

病院で亡くなると、霊安室にいられるのは数時間程度のことが多く、その間に搬送を頼む葬儀社を決める必要があります。病院から葬儀社を紹介されることもありますが、紹介された会社に必ず依頼しなければならないわけではありません。搬送だけを頼み、葬儀は別の会社に依頼することもできます。

危篤のうちなら、2〜3社から見積もりを取り、搬送・安置・火葬料・飲食・返礼品まで含めた総額で比べる時間があります。断り方や比べ方は病院から紹介された葬儀社を断る方法と葬儀社の選び方にまとめています。

安置場所を決めておく

亡くなった後は、自宅か、葬儀社・斎場の安置施設にご遺体を安置します。火葬は法律上、亡くなってから24時間が経つまで行えないため、少なくとも1晩は安置が必要です。火葬場の空き状況によっては、数日から1週間ほど待つこともあります。

自宅に安置できるか(マンションの搬入経路など)、安置施設の1日あたりの費用はいくらかも、事前に確認しておきましょう。詳しくは病院の霊安室にいつまでいられるかと亡くなってから葬儀まで1週間あく場合の安置で説明しています。

当面のお金を確保しておく

銀行が名義人の死亡を知ると、口座は原則として凍結され、自由に引き出せなくなります。2019年に始まった預貯金の払戻し制度を使えば、遺産分割の前でも一定額を引き出せますが、1つの金融機関あたりの上限は150万円で、戸籍などの書類もそろえる必要があります。

入院費や葬儀費用の支払いに不安がある場合は、誰がどう立て替えるかを早めに家族で相談しておきましょう。ゆうちょ銀行で葬儀費用を引き出す方法や葬儀費用が払えないときの対処法も参考にしてください。

互助会や保険に入っているか確認する

本人が互助会や葬儀保険に入っていれば、葬儀費用の一部をまかなえる場合があります。家族が加入を知らないことも多いため、通帳の引き落とし履歴や郵便物を確認しておくと安心です。調べ方は親が加入していた互助会の確認・解約・名義変更で説明しています。

遺言書があるか、どこにあるかを確認する

遺言書があるかどうかで、その後の相続手続きは大きく変わります。公正証書遺言は公証役場で検索でき、法務局の保管制度を使った自筆の遺言書は法務局で確認できます。

自宅で自筆の遺言書が見つかった場合は、家庭裁判所で「検認」を受けるまで開封しないでください。開封しても遺言が無効になるわけではありませんが、過料の対象になることがあります。

本人の希望と葬儀の形を家族で共有する

本人が「家族だけで送ってほしい」「お葬式はいらない」と話していた場合は、家族のあいだで共有しておきましょう。葬儀の形によって費用は大きく変わります。家族葬の場合は家族葬の費用相場を、通夜や告別式を行わない場合は直葬(火葬のみ)の流れと費用を確認してください。菩提寺がある場合は、その連絡先も控えておきます。

仕事や遠方に住む家族はどうする?

仕事の休み方

忌引き休暇は亡くなった後に使う制度のため、危篤の段階では有給休暇を使うのが一般的です。家族が常に介護を必要とする状態であれば、育児・介護休業法にもとづく介護休暇(対象家族1人につき年5日)を使える場合もあります。

長引きそうなときは上司に状況を伝え、在宅勤務や「連絡が来たらすぐ抜ける」体制を相談しておくと、自分も周りも無理がありません。休みが取りにくい場合の対処法は親の死で仕事が休めないときの対処法にまとめています。

遠方の家族はいつ駆けつけるべきか

遠方の家族は、移動に何時間かかるかを医師や看護師に伝えたうえで、「今から向かうべきか」をはっきり聞くのが確実です。それでも間に合わないことはあります。その場合も、電話越しに声を聞かせたり、病室にいる家族にメッセージを読み上げてもらったりすることはできます。

看取り疲れと罪悪感への向き合い方

危篤が長引くと、いつ呼ばれるかわからない緊張が続き、眠れない日が重なります。疲れを感じるのは、それだけ真剣に向き合っているからです。

「早く楽になってほしい」と思うのは冷たいことではない

苦しそうな姿を見続けるつらさに看病の疲れが重なると、「いつまで続くのか」「早く楽にしてあげたい」と考えてしまうことがあります。それは本人を大切に思い、長く寄り添ってきたからこそ生まれる気持ちです。自分を責める必要はありません。

交代で休む仕組みをつくる

付き添いを一人で抱え込まず、家族で時間を区切って交代しましょう。夜間は看護師に任せ、変化があれば電話をもらうよう頼むこともできます。病院の医療ソーシャルワーカーや緩和ケアチームには、家族の疲れや今後の不安も相談できます。

意識がなくても声をかけ続ける

耳は最後まで働いているといわれ、反応がない状態でも音に脳が反応していたという研究報告もあります。感謝や思い出、「みんないるから大丈夫だよ」といった言葉をかけたり、手を握ったり、唇を湿らせたりすることは、本人にとっても家族にとっても穏やかな時間になります。

亡くなった後の流れ

病院で亡くなった場合は、次の順で進むのが一般的です。

  1. 医師が死亡を確認し、死亡診断書を受け取る(保険や年金の手続きでも使うため、コピーを数部とっておく)
  2. 葬儀社に連絡し、ご遺体を安置場所へ搬送してもらう
  3. 葬儀社と、葬儀の日程や内容を打ち合わせる
  4. 死亡を知った日から7日以内に死亡届を提出し、火葬許可証を受け取る(多くは葬儀社が代行)
  5. 通夜・葬儀・火葬を行う

自宅で亡くなった場合は流れが異なり、かかりつけ医がいないときは警察が関わることもあります。自宅の場合は家族が亡くなった直後にすることを、葬儀後の役所・年金・銀行などの手続きは死亡後の手続きチェックリストを確認してください。

よくある質問

危篤と言われてから、どのくらい続くことが多いですか?

数時間から数日のことが多いですが、1週間以上続くことも珍しくありません。点滴などの医療処置を続けているか、本人の心臓や体力がどうかによって大きく変わります。

危篤から回復することはありますか?

一時的に意識が戻ったり、数値が改善したりすることはあります。ただ、そのまま回復に向かうのか一時的なものなのかは、医師でなければ判断できません。変化があったときは、今後の見通しを医師に確認してください。

危篤のうちに葬儀社へ相談するのは不謹慎ですか?

不謹慎ではありません。亡くなってから数時間で決めるより、落ち着いて比べられる今のほうが、費用も内容も納得して選べます。相談しただけで契約が決まるわけでもありません。

危篤の連絡を受けても、すぐに駆けつけられません。

医師に移動にかかる時間を伝え、今向かうべきかを確認してください。間に合わなかったとしても、それまでに重ねてきた関わりがなくなるわけではありません。電話で声を届けることもできます。

意識がなくても話しかけたほうがいいですか?

はい。耳は最後まで働いているといわれています。返事がなくても、普段どおりの声で話しかけてあげてください。

まとめ

危篤がなかなか終わらないことは珍しくなく、医療処置や本人の体力によって経過は大きく変わります。長く続く時間はつらいものですが、お別れと準備のための時間でもあります。

葬儀社と安置場所、当面のお金、連絡先の3つを今のうちに決めておけば、亡くなった直後に慌てずに済みます。そして何より、看病しているご自身の体も大切にしてください。

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