成年後見制度の費用が払えない場合の解決策と助成金の活用方法

成年後見制度の費用が払えない場合でも、ご家族が自己資金から無理に肩代わりして支払う義務はありません。専門家への月額報酬や家庭裁判所への申立てにかかる初期費用には、自治体の助成金制度や法テラスの立替制度といった具体的な公的救済措置がしっかりと用意されています。
注意すべき点として、これらの支援制度はご本人やご家族へ自動的に適用されるわけではなく、ご本人の収入状況や預貯金額に応じた審査を通過する必要があります。また、自治体や機関に対して事前の申請手続きが必要なケースが大半であるため、支援を受けるためのタイミングを逃さないことが極めて重要となります。
ニコニコ終活へご相談いただく方の中にも、ご両親の介護費用や施設への入居費用で手一杯となり、専門家である後見人への報酬まで捻出できないと深刻な不安を抱えるご家族が大勢いらっしゃいます。費用面が大きなネックとなって、ご本人の財産を守るための制度利用をためらってしまうのは非常にもったいないことです。
本記事では、成年後見人の月額報酬や初期費用を負担できない場合に活用できる自治体支援制度の仕組みから、親族が自ら後見人になって費用をゼロに抑える方法まで、具体的な対処法を分かりやすく解説します。
成年後見制度の費用が払えないとどうなる?
成年後見制度の利用を検討するにあたり、真っ先に不安になるのが金銭面の問題です。まずは、専門家に対する報酬や手続きにかかる費用を誰が負担すべきなのか、法律や制度上の基本的なルールを整理して解説します。
家族が費用を肩代わりする法的義務はない
ご本人の預貯金や年金収入が少なく費用が払えない状況であっても、同居しているご家族や離れて暮らすお子様がご自身の財布から費用を出して支払う義務は原則としてありません。成年後見制度はあくまでサポートを受けるご本人のための制度であるため、その生活を脅かしてまでご家族に重い負担を強いるような仕組みにはなっていないのです。
費用は被後見人ご本人の財産から支出される
成年後見人に弁護士や司法書士などの専門職が選任された場合、その月額報酬は被後見人であるご本人の預貯金や年金などの財産から支払われるのがルールです。家庭裁判所は、ご本人の総資産額や毎月の収支バランスを慎重に考慮した上で、無理なく支払える範囲で報酬額を決定します。したがって、ご本人の財産が極端に少ない場合には、裁判所の判断で報酬額が低く設定されることもあります。
専門家への月額報酬が払えない場合の救済措置と助成金制度
家庭裁判所によって専門職の後見人が選任されると、毎月継続して報酬の支払いが発生します。ご本人の収入や資産だけではこの月額報酬が払えない場合、どのような対応策があるのか全体像を見ていきましょう。以下は、金銭的な負担を軽減するために利用できる主な支援制度です。
- 市区町村が主体となって運営する成年後見制度利用支援事業
- 司法書士会などの専門職団体が運営する公益信託の助成基金
それぞれの支援制度について、具体的な条件や利用方法を詳しく解説します。
自治体の成年後見制度利用支援事業を活用する
ご本人の収入や預貯金が少なく、家庭裁判所が決定した専門職への報酬を払えない場合、お住まいの市区町村から助成金が支給される成年後見制度利用支援事業という制度があります。この助成金を利用できれば、費用の全額または一部を自治体が負担してくれるため、生活を圧迫することなく制度を継続できます。
助成の対象となる方の目安は、生活保護を受給している方や、市民税が非課税となっている世帯の方などです。ここでは具体的な例として、大阪市にお住まいの方が利用できる助成金の上限額を以下の表にまとめました。
| 被後見人(ご本人)の生活環境 | 大阪市の助成上限額(月額) |
| 施設等に入所、または病院に入院している場合 | 18,000円以内 |
| ご自宅で生活している場合(在宅) | 28,000円以内 |
大阪市の場合、相談や申請の窓口はご本人の住民票がある区の保健福祉センター(福祉担当窓口)となります。お住まいの地域によって助成の金額や条件が異なるため、まずはお近くの役所窓口へ相談することが第一歩です。
司法書士会などの公益信託による助成基金に応募する
もし、収入状況などの理由で自治体の成年後見制度利用支援事業の対象から外れてしまった場合でも、諦める必要はありません。成年後見センター・リーガルサポートなどの専門職団体が独自に運営している、公益信託からの助成基金を利用できる可能性があります。
この基金は、ご本人の権利を守るために経済的な支援が必要な方を対象としており、所定の審査を通過することで報酬費用の一部が助成されます。申請の窓口や詳しい条件については、ご自身の後見人に就任している専門家、あるいは各専門職団体の相談窓口に確認してみることをお勧めします。
初期費用や申立て費用が払えない場合の具体的な解決策
成年後見制度を利用するためには、月額報酬だけでなく、初回の申立て時に印紙代や切手代、医師の診断書費用などの初期費用が必要になります。さらに、書類作成を専門家に依頼する場合はその費用も加わります。ここでは、初期費用の捻出が難しい場合の解決策の全体像を示します。
- 法テラスの民事法律扶助制度を利用した費用の立替払い
- 親族が成年後見人に就任して毎月の報酬を無償にする方法
これら2つの具体的な解決策について、さらに深掘りして解説します。
法テラスの民事法律扶助制度で立替払いを利用する
申立てにかかる実費や、専門家へ手続きを依頼する初期費用が用意できない場合は、法テラス(日本司法支援センター)の利用を検討してください。法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、弁護士や司法書士に依頼する費用や実費を法テラスが一旦立て替えてくれます。
立て替えてもらった費用は、原則として毎月少額ずつ分割で返済していくことになりますが、無利息であるため負担は最小限に抑えられます。さらに、生活保護を受給している方など、一定の条件を満たす場合は返済自体が免除されることもあります。まずは法テラス・サポートダイヤルへ電話で相談し、ご自身が審査の対象になるか確認してみましょう。
親族が成年後見人になり月額報酬を無償にする方法
専門家への月額報酬を根本的に支払わずに済む方法として、ご家族やご親族が自ら成年後見人に選任されるという選択肢があります。親族が後見人を務める場合、家庭裁判所に対して報酬付与の審判という請求手続きを行わなければ、報酬は一切発生しません。
つまり、ご家族が無報酬で後見人を引き受けることにより、毎月の費用負担を実質ゼロに抑えることができるのです。ただし、親族が後見人になるためには家庭裁判所の審査を通過する必要があり、財産管理の記録や定期的な裁判所への報告という重要な義務を負うことになります。費用を抑えられるメリットと、家族が背負う手間のバランスを慎重に考える必要があります。
成年後見制度の費用や制度利用に関するよくある質問
制度の利用を検討される際、ご本人やご家族から特に多く寄せられる疑問や不安についてお答えします。
助成金の申請はどこに相談すればよいですか
自治体の助成金である成年後見制度利用支援事業については、ご本人の住民票がある市区町村役場の福祉課や保健福祉センターが窓口となります。地域包括支援センターでも初期相談に乗ってもらえます。法テラスの立替制度については、お近くの法テラス地方事務所やサポートダイヤルへ直接お問い合わせください。
制度の途中で費用が払えなくなった場合はどうなりますか
ご本人の預貯金が減少し、途中から専門職への報酬が払えなくなった場合でも、直ちに後見人が辞任したりサポートが打ち切られたりすることはありません。家庭裁判所に事情を報告した上で報酬額を減額してもらったり、その時点から自治体の助成金制度へ申請を切り替えたりすることで、継続して支援を受けられる仕組みが整っています。
成年後見制度の費用負担で悩んだときのまとめ
成年後見制度の費用が払えないという問題は、ご本人の財産からの支払いを大前提とし、自治体の助成金制度や法テラスを活用することで、ご家族が無理な持ち出しをせずに安全に解決できる仕組みが整っています。
私たちニコニコ終活アドバイザーの視点からお伝えしたいのは、費用の不安だけで制度利用を先延ばしにすると、ご本人の預貯金凍結や悪徳商法の被害など、より深刻なトラブルを招く危険性が高いということです。一人で悩まず、使える公的支援をフル活用する前提で早期に動き出すことが何より大切です。
ニコニコ終活では、成年後見制度の費用に関するご相談から、具体的な自治体窓口のご案内まで、全国対応で何度でも完全に無料でサポートいたします。金銭的な不安を抱えている方は、まずはご安心いただき、お気軽にニコニコ終活の無料相談窓口までご連絡ください。