絶縁した兄弟との遺産相続はどう進める?知恵袋でよくある悩みの解決策

遺産 相続 兄弟 絶縁 知恵袋
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行政書士法人杉山事務所
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長年連絡をとっていない兄弟姉妹であっても法律上の相続権は消滅しないため遺産を分ける話し合いから除外することはできません。どれだけ音信不通であっても全員の合意と署名捺印がなければ名義変更などの手続きは進められないのが現実です。

焦って自分の判断で遺産を引き出してしまったり相続税申告の10ヶ月という期限を過ぎてしまったりすると後々激しいトラブルに発展する恐れがあります。特に当事者同士での話し合いは感情的になりやすく大きな負担を伴う傾向にあります。

日頃から終活や相続の相談をお受けしているニコニコ終活の現場でも長年関わりのない親族との連絡に強いストレスや恐怖を感じるというお悩みを伺う機会があります。専門家を挟むべきかご自身で対応可能かは状況によって異なるため慎重な判断が求められます。

本記事ではどうしても相手と関わりたくない場合に利用できる公的法的な解決策や親が元気なうちにできる最も効果的な生前対策について分かりやすく解説します。

目次

絶縁状態の兄弟でも遺産相続の権利は消滅せず全員の合意が必須です

インターネット上の相談サイトなどを見ていると、長年連絡をとっていない兄弟を無視して手続きを進められないかという疑問が多く寄せられています。しかし、日本の法律においてはどれほど関係が冷え切っていても、法的な手続きを省くことはできません。ここでは、相続において絶対に守らなければならない基本的なルールと、それを破った際のリスクについて詳しく解説します。

遺産分割協議は法定相続人の全員一致が条件となる現実

遺産をどのように分けるかを決める話し合いを遺産分割協議と呼びますが、これは法定相続人全員が参加し、全員が内容に合意する必要があります。

もし1人でも欠けた状態で協議を行い、勝手に不動産の名義変更や預貯金の解約手続きを進めようとしても、金融機関や法務局で受け付けてもらうことはできません。仮に虚偽の申告で手続きを通したとしても、後からその協議は法的に無効と判断されます。つまり、長年顔を合わせていない兄弟であっても、必ず連絡を取り、署名と実印での押印、そして印鑑証明書の提出を求めなければならないのが現実なのです。

協議成立前に親の遺産を引き出して使うリスク

手続きが進まないからといって、亡くなった親のキャッシュカードを使って銀行口座からお金を引き出す行為は大変危険です。

遺産分割協議が成立する前の財産は、相続人全員の共有財産という扱いになります。そのため、親の葬儀費用や入院費の清算といった正当な理由があったとしても、他の相続人から見れば財産を隠し持っているのではないか、勝手に使い込んでいるのではないかと疑われる原因になります。特に絶縁状態にある兄弟間では信頼関係が構築されていないため、少額の引き出しであっても裁判沙汰に発展するケースが珍しくありません。

相続税の申告と納税には10ヶ月の期限がある点に注意

遺産相続の手続きには時間的な制約があることも忘れてはいけません。特に注意すべきなのが相続税の申告と納税です。

相続税の申告は、親が亡くなったこと(相続の開始)を知った翌日から10ヶ月以内に行うという厳格な期限が定められています。絶縁している兄弟との話し合いが平行線をたどり、10ヶ月以内に遺産分割が終わらなかった場合でも、一旦は未分割の状態で申告と納税を済ませなければなりません。期限を過ぎてしまうと、無申告加算税や延滞税といった重いペナルティが課せられることになり、金銭的に非常に不利な状況に陥ります。

絶縁した兄弟と関わらずに遺産相続手続きを進める3つの対処法

どうしても相手と顔を合わせたくない、あるいは手紙を送っても無視されてしまう場合、そのまま放置していても問題は解決しません。ここでは、相手と直接やり取りをせずに手続きを進めるための具体的な対処法を3つご紹介します。

まずは、状況に応じて取り得る3つの選択肢の全体像と特徴を比較してみましょう。

  • 弁護士を代理人に立てて交渉窓口を任せる
  • 家庭裁判所の遺産分割調停を利用して第三者を挟む
  • 相手の自由意志による相続放棄を促す

以下の表は、弁護士への依頼と家庭裁判所の調停を利用した場合の違いをまとめたものです。

比較項目弁護士に代理交渉を依頼する場合家庭裁判所の遺産分割調停を利用する場合
主な特徴自分の味方として相手と直接交渉してくれる裁判所の調停委員が中立な立場で話し合いを進める
相手との接触全て弁護士が窓口となるため一切不要裁判所へ行く必要はあるが、待合室などは別になる配慮がある
解決までの期間相手が交渉に応じれば数ヶ月で早期解決可能月に1回程度の期日となるため半年から1年以上かかることが多い
費用負担着手金や報酬金など数十万円以上の費用がかかる収入印紙や郵便切手代など数千円程度(弁護士をつけない場合)

それでは、これらの対処法について一つずつ詳しく深掘りして解説します。

弁護士を代理人に立てて交渉窓口を任せる

最も確実で精神的なストレスを軽減できるのが、弁護士に依頼して代理人になってもらう方法です。

弁護士はあなたの代理として、相手との連絡から遺産分割協議書の作成まで一括して引き受けてくれます。また、相手の現在の住所がわからない場合でも、弁護士であれば職権を使って戸籍や住民票を取得し、居場所を調査することが可能です。当事者同士では感情的になってまとまらない話も、法律の専門家が客観的な立場で「法的な適正な割合」を提示することで、相手も冷静になり合意に至りやすくなります。

家庭裁判所の遺産分割調停を利用して第三者を挟む

相手が手紙や電話を完全に無視する場合や、話し合いが決裂してしまった場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。

調停とは、裁判のように勝ち負けを決めるものではなく、調停委員という第三者が間に入って両者の意見を聞き、合意を目指す話し合いの手続きです。調停の期日には裁判所へ足を運ぶ必要がありますが、相手と直接顔を合わせないように待合室を別にしたり、交互に調停委員と話をするなど、心理的負担を減らす配慮がなされています。話し合いがまとまれば調停調書が作成され、これを用いて単独で名義変更手続きなどが可能になります。

相手の自由意志による相続放棄を促す

もし、絶縁している相手が「親の遺産になど一切関わりたくない」と考えていることが予想される場合、相続放棄をしてもらうのも一つの手段です。

相続放棄は家庭裁判所で手続きを行うことで、初めから相続人ではなかったことになる制度です。相手が相続放棄をしてくれれば、その人を除外して残りの相続人だけで手続きを進めることができます。ただし、相続放棄はあくまで本人の自由意志で行うものであり、他人が強制することは絶対にできません。相手に相続放棄を提案する手紙を送る際も、感情的な言葉を使わず、手続きに必要な書類はこちらで用意する旨を伝えるなど、慎重な対応が求められます。

生前にできる最大の対策は親に遺言書を作成してもらうこと

もし親御様が現在ご健在であり、将来的に絶縁している兄弟との間で相続トラブルになることが目に見えているのであれば、生前の対策が何よりも重要になります。ここでは、なぜ親の遺言書が最大の解決策となるのか、その強力な法的な効果について詳しく解説します。

遺言書があれば遺産分割協議自体が不要になる

親が法的に有効な遺言書を残していれば、残された家族の負担は劇的に軽減されます。

例えば「長男にすべての財産を相続させる」といった内容が記載された遺言書があれば、原則としてその内容が最優先されます。つまり、相続人全員で行う遺産分割協議自体が不要になるのです。協議が不要ということは、絶縁している兄弟に連絡を取ったり、実印を押してもらったりするプロセスが丸ごと省略できるため、あなた単独で不動産の名義変更や預貯金の解約手続きをスムーズに行うことが可能になります。確実性を高めるため、公正証書遺言の形で作成しておくことを強くお勧めします。

兄弟姉妹には遺留分がないため取り分をゼロにできる

遺言書を作成する上で非常に重要な知識が、遺留分という制度です。

遺留分とは、配偶者や子供など一定の法定相続人に保障されている最低限の遺産取得分のことを指します。しかし、民法において被相続人(亡くなった親から見て)の兄弟姉妹には遺留分が認められていますが、親の遺産を子供たち(あなた方兄弟)が引き継ぐ場合、絶縁している兄弟にも当然ながら相続権があります。

ここでのポイントは、もし亡くなるのが親ではなく「あなた自身」や「兄弟の一人」で、配偶者や子供がいない場合、相続人が兄弟姉妹になるケースです。この場合、兄弟姉妹には遺留分がありません。

親から子供への相続においては、絶縁した兄弟(子供)にも遺留分が存在します。そのため「あなたに全財産を譲る」という遺言を親が書いても、絶縁した兄弟から遺留分侵害額請求(最低限の取り分を現金で支払えという請求)を起こされるリスクは残ります。遺言書を作成する際は、この遺留分に対する配慮も親と一緒に専門家へ相談しておくことが重要です。

絶縁した兄弟との遺産相続に関するよくある質問

ここでは、インターネットの相談サイトなどでも頻繁に見られる、絶縁した兄弟との相続手続きに関する具体的な疑問についてお答えします。

連絡先が全くわからない場合はどうすればよいですか

相手の住所や電話番号が一切わからない場合は、まず戸籍の附票という書類を取得します。

戸籍の附票にはこれまでの住所の履歴が記載されているため、現在住民登録されている住所を割り出すことができます。住所が判明したら、まずは事情を説明する手紙を送ります。もし住民票上の住所に住んでおらず、どうしても行方がわからない場合は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てるなどの法的な手続きが必要になります。

相手が一切の連絡を無視し続ける場合はどうなりますか

手紙を送っても相手が無視し続け、協議が全く進まない場合は調停を利用することになります。

相手が話し合いに応じないからといって、その人を除外して勝手に名義変更などを行うことは絶対にできません。この場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立て、裁判所を通じて呼び出しを行ってもらいます。それでも相手が裁判所に出頭しない場合は、調停は不成立となり、自動的に遺産分割審判という手続きに移行し、最終的には裁判官が遺産の分け方を決定してくれます。

絶縁した兄弟との遺産相続トラブル対策まとめ

複雑な家族関係における遺産相続問題について解説してきました。最後にこの記事の重要なポイントを簡潔にまとめます。

  1. 絶縁した兄弟であっても法律上の相続権は消滅しないため、遺産分割の手続きには必ず全員の合意や、法的な手順を踏む必要があります。
  2. 感情的な対立や長年の溝がある場合、当事者同士で無理に解決しようとせず、弁護士や裁判所などの第三者を早めに挟むことがトラブル拡大を防ぐ鍵となります。
  3. ニコニコ終活は全国対応で、何度でも完全に無料でご相談いただけます。お客様の複雑なご家庭の事情に合わせ、最適な専門家への橋渡しや解決策のご提案を行っておりますので、一人で抱え込まずにまずは無料相談をご利用ください。

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