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親の死で仕事に行けない・復帰できない時は?休職・傷病手当金の判断フロー

親の死 仕事 休めない

親の死のあとに仕事に行けない・仕事復帰できないのは、大切な人を失った悲しみ(グリーフ:死別による心と体の反応)として多くの人に起こる自然な状態で、怠けや甘えではありません。親の死で仕事に行けないときは、まず年次有給休暇で数日休んで上司に状況を伝え、眠れない・食べられないなどの不調が2週間以上続くなら心療内科やかかりつけ医に相談し、医師が働けないと判断した場合は休職と健康保険の傷病手当金(給与のおおむね3分の2)で回復を優先できます。

この記事では、今の状態から次の一手を選べる判断フローと状態別の早見表、会社への伝え方の例文、産業医や診断書の扱い、段階的な職場復帰の進め方、そして心療内科・労働局などの相談先までを、制度の根拠とあわせて整理しました(制度の内容は2026年11月時点)。「辞めるしかない」と思い詰める前に、一度読んでみてください。

目次

結論:親の死で仕事に行けない・復帰できないときにやること5つ

この記事の要点

  1. 自分を責めない:親の死のあとに仕事が手につかないのは、多くの人に起こる自然な反応です。
  2. まず有給休暇で数日休む:年次有給休暇は労働基準法39条で認められた権利で、理由を詳しく説明する義務はありません。
  3. 不調が2週間以上続くなら受診する:心療内科・精神科・かかりつけ医、社内なら産業医に相談します。自分で病名を決めつける必要はありません。
  4. 働けないと医師が判断したら休職+傷病手当金:休職は会社の就業規則、傷病手当金は健康保険法99条にもとづく給付です。
  5. 復帰は段階的に、退職の決断は急がない:時短・業務量調整から戻し、迷ったら労働局の総合労働相談コーナーなど無料の窓口へ。

なお、葬儀のために何日休めるか(忌引き休暇の日数)は会社の規定によって決まります。日数の目安や雇用形態別の扱いは親が亡くなったら仕事は何日休む?忌引き早見表にまとめているので、この記事では「忌引きが明けても仕事に行けない・戻れない」ときの対応に絞って解説します。

今の状態で選ぶ|仕事に行けないときの判断フローと状態別の対応早見表

「休むべきか、無理してでも行くべきか」は、気持ちだけで判断すると迷い続けてしまいます。次の判断フローで、今の自分がどの段階にいるかを確かめてください。

親の死のあと仕事に行けないときの判断フローQ1 葬儀や手続きの最中で、物理的に出社できない?はい→忌引き休暇と有給休暇を組み合わせるいいえ(忌引き明け)Q2 死にたい・消えたいという気持ちがある?(自分を傷つけてしまいそうな不安も含む)はい→今日中に医療機関や公的な相談窓口へ連絡いいえQ3 眠れない・食べられない・涙が止まらない等が2週間以上続き、生活に支障がある?いいえ→有給で数日休み上司に業務量の調整を相談→段階的に職場復帰はい→心療内科・精神科かかりつけ医・産業医に相談する医師が「働けない」と判断→診断書を会社へ提出して休職→傷病手当金を申請※判断に迷うときは、医療機関や公的な相談窓口に相談してください

状態別の対応早見表

今の状態まずやること使う制度相談先
葬儀・役所手続きで出社できない上司に日程を伝え、引き継ぎをする忌引き休暇(就業規則)・年次有給休暇上司・人事
忌引き明けに出社する気力がない有給で数日休み、復帰日を上司と相談年次有給休暇上司・人事
出社はできるが集中できない・ミスが増えた業務量・締め切りの一時調整を頼む時短勤務・在宅勤務など社内制度上司・産業医
不眠・食欲不振などが2週間以上続く医療機関を受診し、働けるかを相談(必要に応じて)休職・傷病手当金心療内科・精神科・かかりつけ医・産業医
会社に休みを認めてもらえない就業規則を確認し、人事に相談年次有給休暇(労働基準法39条)人事・総合労働相談コーナー・労働基準監督署
死にたい気持ちがある一人で抱えず、すぐに連絡する―医療機関・こころの健康の相談窓口

受診を考える目安のセルフチェック

次の項目は病気かどうかを判定するものではなく、「専門家に一度相談したほうがよいか」を考えるための目安です。いくつか当てはまる状態が2週間以上続いている場合は、受診や相談を検討してください。

  • 寝つけない、夜中や早朝に目が覚めて眠れない日が続いている
  • 食欲がない、または食べすぎてしまい、体重が大きく変わった
  • 朝になると動悸や吐き気がして、家を出られない
  • 仕事のメールや資料を読んでも内容が頭に入らない
  • 「もっと何かできたのでは」と自分を責める考えが止まらない
  • 好きだったことにも興味がわかず、何もする気になれない
親の死のあと仕事に行けない・復帰できないときの選択肢(有給で休み段階的に復帰、2週間以上続く不調は医療機関に相談し休職や傷病手当金を検討)

ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:
ご相談を受けていると、葬儀や手続きのあいだは気が張っていて動けていたのに、すべてが一段落した頃に急に体が動かなくなったという方が少なくありません。「今さら休むのは」と遠慮せず、そのタイミングで休むことも自然な選択です。

仕事に行けないときに使える制度|有給・休職・傷病手当金の違い

仕事を休むときに使える制度は、法律で定められたものと、会社が独自に定めたものに分かれます。どれが使えるかで、休める期間と収入の扱いが大きく変わります。

制度根拠休める期間の目安収入の扱い向いている状況
忌引き休暇(慶弔休暇)会社の就業規則(法律上の義務はない)会社の規定による会社の規定による葬儀への参列・喪主
年次有給休暇労働基準法39条保有している残日数まで通常どおり賃金が出る忌引き明けに数日〜1週間ほど休みたい
休職会社の就業規則(法律上の義務はない)会社の規定による無給とする会社が多い医師から療養が必要と言われた
傷病手当金健康保険法99条支給開始日から通算1年6か月まで標準報酬日額のおおむね3分の2休職などで給与が出ない期間の生活費
介護休暇・介護休業育児・介護休業法介護休暇は年5日、介護休業は通算93日(3回まで分割)介護休業は雇用保険の介護休業給付金の対象親が存命で介護・看取りが必要な時期(亡くなった後は対象外)

年次有給休暇:まず数日休むための権利

年次有給休暇(有給)は、雇い入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に与えられる休暇で、労働基準法39条に定められています。パートやアルバイトでも、勤務日数に応じた日数が付与されます。会社は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限って取得日を変更してもらう権利(時季変更権)を持ちますが、有給の取得そのものを拒否することはできません。親を亡くした直後に数日休むことは、遠慮なく申し出てよい場面です。

休職:会社ごとに条件が違うので就業規則を確認する

休職とは、労働契約を続けたまま一定期間仕事を免除してもらう制度です。法律で一律に定められたものではなく、就業規則で「私傷病休職」などとして定めている会社が一般的です。休職できる期間、申請に診断書が必要か、休職中の給与の有無、期間が満了しても復帰できない場合の扱い(退職扱いになる規定がある会社もあります)は会社ごとに違うため、人事に就業規則の該当箇所を見せてもらいましょう。悲しみそのものではなく、医師が「療養が必要」と判断した体調不良が、休職の対象になるのが一般的です。

傷病手当金:休職中の収入を支える健康保険の給付

傷病手当金は、会社員などが加入する健康保険から、業務外の病気やけがの療養のために働けず給与を受けられないときに支給される給付です(健康保険法99条)。連続する3日間の「待期」を経て、4日目以降の働けなかった日が対象になります。待期の3日間は有給休暇や公休日を含んでも成立します。1日あたりの支給額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を30で割った額のおおむね3分の2で、支給期間は支給開始日から通算1年6か月です。

申請書には医師が「労務不能」と認める欄があるため、受診していることが前提になります。会社から給与が一部出ている場合は差額のみの支給になるなど調整があります。自営業の方などが加入する国民健康保険には原則としてこの制度がないため、加入している保険の窓口(協会けんぽの支部、健康保険組合など)で確認してください。

介護休暇・介護休業は「亡くなる前」の制度

育児・介護休業法の介護休暇(対象家族1人につき年5日、2人以上で年10日)と介護休業(対象家族1人につき通算93日、3回まで分割可)は、要介護状態の家族を介護するための制度です。親が亡くなった後の休みには使えませんが、危篤や看取りの時期であれば利用を検討できます。亡くなった後に休むときは、忌引き休暇・有給・休職のいずれかになります。

会社への伝え方|上司・人事・産業医に何をどう話すか

つらいときほど連絡を後回しにしがちですが、無断で休み続けると、あとで職場に戻りにくくなります。完璧な説明は不要です。「事実」「必要な期間」「連絡方法」の3点だけ伝えれば十分です。

伝える順番と伝える内容

  1. 直属の上司:休みたい期間と、急ぎの業務の引き継ぎ先を伝える。電話がつらければメールやチャットでもかまいません。
  2. 人事・総務:有給の残日数、休職制度の有無と条件、傷病手当金の申請手続きを確認する。
  3. 産業医・社内の相談窓口:体調面の不安や、復帰の時期・働き方について相談する。

体調の詳しい内容や、受診先、診断名まで上司に話す必要はありません。プライバシーにかかわる話は人事や産業医に絞って伝える、という線引きをしてかまいません。

上司へのメール例文(休みを延ばしたいとき)

件名:休暇延長のご相談(氏名)

〇〇課長
お疲れさまです。〇〇です。
父の葬儀の際はご配慮いただき、ありがとうございました。
手続きや心身の疲れが重なっており、大変恐縮ですが、〇月〇日から〇日まで有給休暇をいただけないでしょうか。
〇〇案件は〇〇さんに状況を共有済みで、資料は共有フォルダの「〇〇」に保存しています。
休暇中もメールは1日1回確認します。
〇日に改めて体調と復帰日についてご連絡いたします。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

医師から休職が必要と言われた場合は、「医師から〇週間の療養が必要と言われたため、休職について人事に相談させてください」と伝え、詳しい手続きは人事と進めます。

産業医に相談できること

産業医は、働く人の健康管理について助言する医師です。労働安全衛生法13条により、常時50人以上の労働者を使用する事業場では選任が義務付けられています。産業医は治療をする立場ではありませんが、休むべきかどうか、復帰の時期や勤務時間の調整について、医学的な立場から会社に意見を述べることができます。50人未満の会社の場合は、各地の地域産業保健センターで相談できることがあります。

診断書が必要になる場面と「忌引きの証明書」との違い

休職の申請や、病気を理由とした長めの休みでは、医師の診断書の提出を求められるのが一般的です。診断書は受診した医療機関に依頼して作成してもらい、費用は保険がきかない自費で、金額は医療機関ごとに異なります。一方、葬儀のための忌引き休暇で求められるのは会葬礼状や死亡診断書の写しなどの「忌引きの証明書」で、目的がまったく異なります。忌引きで使える書類は忌引きの証明書は何を出す?会社・学校で使える書類5種で確認できます。

親の死から仕事復帰できないときの段階的な戻り方

「休み明けから元どおりに働かなければ」と考えると、復帰のハードルが上がってしまいます。厚生労働省は「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」で、主治医の判断や産業医の意見をふまえて職場復帰の支援プランをつくり、段階的に戻ることを示しています。休職をしていない場合でも、同じ考え方で負担を調整できます。

段階的な職場復帰のプラン例

段階働き方の例確認するポイント
復帰前起床・就寝の時間をそろえ、通勤時間に外出してみる生活リズムが1週間ほど保てているか
復帰直後短時間勤務や在宅勤務、締め切りのない業務から始める疲れが翌日に残りすぎていないか
慣れてきた時期勤務時間を少しずつ延ばし、担当業務を戻していく集中力・睡眠の状態が安定しているか
通常勤務元の業務量に戻し、定期的に上司や産業医と面談する命日や四十九日の前後など、気持ちが揺れやすい時期の配慮

各段階の期間は人によって大きく異なり、表の内容はあくまで一例です。主治医や産業医、会社と相談しながら決めてください。復帰後も、命日や法要、遺品整理などのタイミングで一時的に気持ちが落ち込むことがあります。そのときに半日休みを取れるよう、あらかじめ上司に伝えておくと安心です。

「仕事を辞める」は回復してから判断する

親の死のあとは「もう働けない」「辞めて実家に戻ろう」と考えることがあります。ただ、強い悲しみの中では判断が揺れやすく、退職は取り消すのが難しい決断です。休職制度が使える場合は、まず休職で療養し、落ち着いてから続けるかどうかを考えるのがおすすめです。

それでも退職する場合、退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日の時点で傷病手当金を受けている(または受ける条件を満たしている)などの要件を満たせば、退職後も傷病手当金を受け続けられる場合があります。退職日に出勤すると要件を満たさなくなるなどの注意点があるため、退職前に加入している健康保険に確認しましょう。雇用保険の失業給付は「働ける状態」が前提で、病気ですぐに働けない場合は受給期間の延長を申し出る仕組みがあります。詳しくはハローワークで確認してください。

ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:
実家の片付けや相続の話し合いが重なり、「仕事との両立は無理だ」と退職を考える方もいます。手続きの負担は外部に任せられる部分も多いので、仕事を辞めるかどうかは、手続きの見通しが立ってから考えても遅くありません。

仕事に行けない・休めないときの相談先一覧

心の不調と職場の問題では、相談する窓口が違います。一人で抱え込まず、悩みの種類に合った窓口を選んでください。

悩みの種類相談先相談できること
眠れない・食べられないなど体と心の不調心療内科・精神科・かかりつけ医診察、休養が必要かの判断、診断書の作成
働き方や復帰時期の不安産業医・社内の相談窓口勤務時間の調整や復帰に向けた助言
どこに相談すればよいかわからない厚生労働省「こころの耳」の電話・SNS・メール相談働く人のメンタルヘルスに関する相談
地域で心の健康を相談したい都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター、保健所心の健康相談、医療機関の情報
有給を認めてもらえない・退職を迫られた都道府県労働局の総合労働相談コーナー、労働基準監督署労働条件やトラブルの相談(無料・予約不要)
死にたい気持ちがある医療機関、厚生労働省「まもろうよ こころ」で案内されている相談窓口電話・SNSでの相談

会社に「人手が足りないから休むな」と言われた場合も、有給休暇の取得そのものを拒否することは労働基準法39条に照らして認められていません。まずは人事に就業規則の確認を求め、それでも解決しなければ総合労働相談コーナーに相談しましょう。労働基準法違反の疑いがある場合は、労働基準監督署などにつないでもらえます。

死後の手続きの負担を減らして回復に時間を使う

親が亡くなったあとは、役所への届出、年金や健康保険の手続き、相続の手続きなど、平日の日中に動かなければならない用事が続きます。仕事に行けない状態のときに、すべてを自分で抱えると回復が遅れてしまいます。

なお、死後事務委任契約(本人が生前に、亡くなった後の事務手続きを第三者に任せておく契約)は、親本人が生前に結んでおく必要があります。亡くなった後は、相続人として個別の手続きを専門家に依頼する形になります。

ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:
手続きは「今週やるのは1つだけ」と決めるくらいでちょうどよいことも多いです。期限があるものだけを先に確認し、それ以外は心と体が少し落ち着いてから進めましょう。

親の死で仕事に行けない・復帰できないときのよくある質問

親の死で仕事に行けないのは甘え?

甘えではありません。親を亡くしたあとに気力が出ない、集中できないといった状態は、死別による悲しみ(グリーフ)として多くの人に起こる反応です。立ち直るまでの期間には大きな個人差があるため、他の人と比べず、必要なら有給休暇などで休んでください。

親の死のあと仕事復帰できない状態はいつまで続く?

期間は人によって大きく異なり、一律の目安はありません。ただし、眠れない・食べられないなどの不調が2週間以上続き、生活や仕事に支障がある場合は、時間が解決するのを待たずに心療内科やかかりつけ医、産業医に相談してください。早めに相談すると、休職が必要かどうかも含めて一緒に判断できます。

親の死で休職するには診断書が必要?

休職の条件は会社の就業規則で決まりますが、病気を理由とする休職では医師の診断書の提出を求められるのが一般的です。傷病手当金の申請でも医師の意見が必要になります。まずは人事に必要書類を確認し、受診先で診断書を依頼してください。

親の死が理由でも傷病手当金はもらえる?

親の死そのものは傷病手当金の対象ではありませんが、その後に体調を崩し、医師が業務外の病気の療養のため働けないと認めた場合は、健康保険法99条にもとづき支給対象になり得ます。会社員などが加入する健康保険の制度で、国民健康保険には原則としてありません。支給の可否は加入している健康保険が判断します。

会社に休めないと言われたらどうする?

年次有給休暇は労働基準法39条で認められた権利で、会社は取得日の変更を求めることはできても、取得自体を拒否することはできません。上司に断られた場合は人事に相談し、それでも解決しない場合は都道府県労働局の総合労働相談コーナー(無料・予約不要)に相談しましょう。

まとめ

親の死のあとに仕事に行けない・仕事復帰できないのは、多くの人に起こる自然な反応です。まずは有給休暇で休んで上司に状況を伝え、不調が2週間以上続く場合は医療機関や産業医に相談し、必要に応じて休職と傷病手当金で回復を優先してください。復帰は段階的に進め、退職などの大きな決断は気持ちが落ち着いてからで遅くありません。

ニコニコ終活では、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)を中心に、葬儀、相続、死後の手続き、身元保証、死後事務委任などのご相談を何度でも無料で承っています。仕事と手続きの両立が難しいときは、何から手をつけるかの整理からお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。

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