監修
行政書士法人杉山事務所
所属行政書士会:大阪会 / 登録番号:22260069

親が亡くなった後の遺品整理や、高齢者施設へ入居するための生前整理など、タイミングは人それぞれですが、実家を片付ける実家じまいは、体力面でも精神面でも非常に大きな負担がかかります。
膨大な荷物を前にどう手を付ければよいか分からず、立ち往生してしまう方は少なくありません。
そこで頼りになるのが実家じまいの専門業者です。しかし、数ある業者の中には高額な追加料金を請求したり、必要な許認可を持たずに不法投棄を行ったりする悪質な業者も存在します。
| 比較項目 | 専門業者に依頼する場合 | 自分で行う場合 |
|---|---|---|
| 必要な時間と手間 | 数日から1週間程度でスピーディーに完了する | 数ヶ月から1年以上かかるケースが多い |
| 体力面・精神面の負担 | 仕分けから搬出、清掃まで任せられるため負担が少ない | 重い家具の搬出や思い出の品との向き合いで非常に疲弊する |
| 発生する費用 | 人件費や処分費用がかかるため、まとまった出費が必要 | 自治体のゴミ処分手数料や交通費のみで比較的安価 |
| トラブルのリスク | 業者選びを誤ると高額請求や雑な作業の恐れがある | 近隣住民への騒音・駐車トラブルや怪我のリスクがある |
実家じまいをプロの業者に任せることには、多くのメリットがある一方で、把握しておくべきデメリットも存在します。まずは全体像を確認しましょう。
実家じまいを自分で行う場合、毎週のように実家へ通い、仕分けをして、自治体のゴミ回収日に合わせてゴミを出すという果てしない作業が必要です。
これには膨大な時間と体力を奪われます。専門業者に依頼すれば、仕分けから梱包、重い家財の搬出、さらには簡易的な清掃まで、すべての工程を数名から十数名のプロが分担して実施します。
多くの場合は1日から数日、小規模な実家であれば半日程度で片付けが完了するため、仕事や家事で忙しい方にとって最大のメリットとなります。また、遺品整理などの場合、家族だけで行うと思い出の品を見るたびに手が止まってしまい、精神的な疲弊から一向に進まないこともあります。第三者であるプロが適度な距離感でサポートしてくれるため、精神的にも非常に救われます。
近年の実家じまい業者は、不用品の回収や処分だけでなく、価値のある品物の買い取りサービスを同時に行っているところが増えています。骨董品や絵画、古いブランド品だけでなく、レトロな家具や家電、未使用のギフト品、食器類、趣味の道具など、自分たちにとってはゴミに見えるものでも、プロの目から見れば価値があるケースは多々あります。これらを買い取ってもらうことで、最終的に業者に支払う実家じまいの総費用から買い取り額が差し引かれ、想定よりも大幅に安く片付けを終えることができます。
最大のデメリットは、やはり費用の問題です。自分で行えば実質的に自治体の処分手数料や現地までの交通費程度で済みますが、業者に依頼する場合は人件費、トラックの車両費、廃棄物の処分費用などが加算されます。実家の広さや荷物の量によっては、数十万円から、場合によっては100万円を超える大きな費用が必要となります。事前にまとまった資金を確保しておく必要がある点は、大きなデメリットと言えます。
実家じまいや遺品整理の業界は、参入障壁が比較的低いことから、中にはモラルの低い悪質な業者が紛れ込んでいます。事前に安い金額を提示しておきながら、作業終了後に不要なオプションなどを理由に高額な追加料金を請求する手口や、まだ残しておくべき貴重品を勝手に処分・持ち去ってしまうような悪質なトラブルも報告されています。そのため、どの業者に任せるかを慎重に判断する目が必要不可欠になります。
業者に頼らず、家族や親族の力だけで実家を片付ける選択肢もあります。その場合の特徴についても整理しておきましょう。
自分で行う場合の最大の利点は、コストカットです。かかる費用はゴミ袋代、自治体の粗大ゴミ処分チケット代、あとは実家へ往復するための交通費やレンタカー代くらいです。また、業者の予約日程に縛られることなく、今週末はキッチン、来週末はリビングといったように、自分の都合の良いスケジュールに合わせて少しずつ片付けを進行させることができます。
他人が家に入ることに抵抗がある場合や、親の大切にしていた品々を他人の手で乱暴に扱われたくないという気持ちが強い場合、家族だけで行うのが最適です。時間をかけてアルバムをめくったり、手紙を読み返したりしながら、家族の歴史を振り返り、心の整理をつけるプロセスは、自分たちで片付けるからこそ得られるかけがえのない時間となります。
しかし現実には、一軒家に長年蓄積された荷物の量は想像を絶するものです。引き出しや押し入れを開けるたびに新しい荷物が出てきて、数ヶ月通っても終わりが見えず、心折れて途中で挫折してしまうケースが非常に多く見られます。特に実家が遠方にある場合は、往復の移動だけで体力と時間を消費し、結局業者に頼まざるを得なくなって二度手間になることも珍しくありません。
タンスや冷蔵庫、洗濯機、ベッドといった大型の家具や家電は、素人が無理に運ぼうとすると、腰を痛めるなどの大怪我につながります。さらに、慣れない搬出作業によって、実家の壁や床、あるいはアパートの共有部分などを傷つけてしまい、賃賃物件の場合は原状回復費用を請求されるといった二次被害に発展することもあるため注意が必要です。
ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:自分だけで片付けるか、業者に依頼するかで迷ったときは、まず実家の荷物の量と自身の体力、そして確保できる時間をご家族で客観的に評価しましょう。無理をして体調を崩す前に、プロの手を一部だけでも借りるという選択肢を持つことが、結果として心身の健康と円滑な実家じまいにつながります。
実家じまいを成功させるか、失敗して大きな後悔を残すかは、どの業者を選ぶかにかかっています。ここでは、信頼できる優良業者を見極めるための具体的なチェックポイントを詳しく解説します。
多くの業者の中から安心できる1社を選ぶためには、以下の5つのポイントに注目することが大切です。
片付け業者の中には、ただの不用品回収業者もあれば、遺品の扱いに関する専門知識を持った資格者がいる専門業者もあります。「遺品整理士」や「生前整理アドバイザー」などの民間資格を持つスタッフが在籍している業者は、遺品を単なるゴミとして扱うのではなく、故人や遺族の心に寄り添った丁寧な取り扱いをしてくれるため信頼性が高くなります。
優良な業者は、必ず訪問見積もりを行い、詳細な見積書を提示します。「作業一式:〇〇万円」といった大雑把な記載ではなく、人件費、車両費、廃棄処分代、リサイクル費用、買い取り査定額などが細かく項目ごとに分かれているかを確認しましょう。内訳がはっきりしている業者は、後から不透明な追加料金を請求するリスクが極めて低いです。
家庭から出るゴミ(一般廃棄物)を回収・運搬するためには、市町村から「一般廃棄物収集運搬業許可」を得ている必要があります。この許可を持っていない、あるいは許可を持つ業者と適切に提携していない業者が回収を行うと違法となり、最悪の場合、回収されたゴミが不法投棄され、依頼主であるあなた自身が警察から追及を受けるリスクがあります。ホームページ等で許認可の有無を必ず確認しましょう。
荷物を搬出する際、どれほどプロの作業員が注意していても、壁を擦ってしまったり、床を傷つけてしまったり、あるいは近隣の住宅の塀や車に荷物をぶつけてしまうといった不測の事態は起こり得ます。そうしたトラブルの際に、業者自身が最大数千万円規模の「損害賠償保険」に加入していれば、速やかに全額補償してもらえるため、安心して作業を任せることができます。
最終的な決め手となるのは、スタッフの対応の良さです。最初の電話応対がぶっきらぼうだったり、訪問見積もり時にこちらの話をじっくり聞かずに契約を急がせたりする業者は、実際の作業も雑になる可能性が高いです。こちらの質問に対して分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるか、誠実な人柄かを見極めてください。
トラブルを未然に防ぐために、避けるべき悪質業者の特徴も知っておく必要があります。
軽トラックなどでスピーカーを流しながら住宅街をゆっくり走り、「不要になった家電を無料で引き取ります」と宣伝している業者は利用を避けましょう。これらは無許可の業者であることがほとんどで、荷物をトラックに積み込んだ後に「基本料金は別にかかる」などと理不尽な高額請求をしてきたり、回収した品を山林に不法投棄したりするトラブルの温床となっています。
「今すぐここで契約してくれたら、半額にしますよ」「本日中に決めないと、この見積価格は適用されません」などと急かしてくる業者は要注意です。他社の見積もりと比較されると、自社の料金が異常に高いことやサービスが劣っていることがバレてしまうため、強引に契約を結ぼうとしている可能性が高いです。契約は慌てず、必ず持ち帰って検討しましょう。
実家の片付けは、間取りが同じでも荷物の量や搬出経路(エレベーターの有無、道幅、トラックの駐車スペースなど)によって費用が激しく変動します。それにもかかわらず、「電話だけで確定料金を出します」という業者は、現地に来て作業を始めてから「思ったより荷物が多かった」「トラックが近くに停められなかった」などと理由をつけて、後から高額な追加費用を求めてくる典型的な手口を使うことが多いです。
ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:実家じまいの業者選びで最も大切なのは、最初から1社に絞らずに、最低でも2〜3社から「相見積もり」を取ることです。複数の見積もりを比較することで、地域の適正な価格相場が分かり、各業者の対応の差も一目瞭然になります。
| 間取り | 費用相場 | 作業人員の目安 | 作業時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1DK / 1LDK | 50,000円 〜 120,000円 | 1 〜 3名 | 2 〜 4時間 |
| 2DK / 2LDK | 100,000円 〜 250,000円 | 2 〜 4名 | 3 〜 6時間 |
| 3DK / 3LDK | 150,000円 〜 400,000円 | 3 〜 6名 | 4 〜 8時間 |
| 4DK以上(一戸建て) | 220,000円 〜 600,000円以上 | 4 〜 8名以上 | 1 〜 2日 |
高額になりがちな実家じまいの費用ですが、事前の準備や工夫次第で数万円から十数万円単位で安く抑えることが可能です。
最も確実な節約方法は、業者が来る前に自分たちでゴミを減らしておくことです。例えば、紙類(本、アルバム、古い書類)や衣類、食器などは、自治体の資源ゴミや通常ゴミの日に出せば、ほぼ無料で処分できます。業者に任せる荷物の総量を減らすことで、手配するトラックのサイズが小さくなり、作業人員も減るため、結果的に見積もり金額を大幅に下げることができます。
前述の通り、相見積もりは必須です。他社の見積書を見せることで、「他社さんはこの金額だったのですが、もう少し安くなりませんか?」といった価格交渉がしやすくなります。ただし、極端に安い見積もりを出してくる業者は、当日の追加請求を企んでいるか、不法投棄を行っているリスクがあるため、単に安いという理由だけで選ばないようにしましょう。
実家じまいと同時に、買い取り査定を行ってくれる業者を選びましょう。専門の鑑定士が在籍している業者であれば、骨董品や絵画、時計、貴金属、ブランド食器などを適正価格で買い取ってくれます。買い取り額が片付け費用から直接相殺されるため、手出しの費用を大きく節約できます。
ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:事前にすべての荷物を片付けようとして腰を痛めてしまっては元も子もありません。自分でやるのは「ゴミ袋に入れられる軽いもの」や「可燃ゴミとしてすぐ出せるもの」に限定し、重たいタンスや大型家電は最初からプロに任せるのが、賢い費用の抑え方です。
いざ実家じまいを始めようとしても、何から手を付ければいいのかパニックになってしまうものです。計画から完了までの基本的な流れを頭に入れておきましょう。
実家じまいを円滑に進めるための手順は、以下の5つのステップで進行します。
最もトラブルになりやすいのが、親族間の意見の食い違いです。「勝手に片付けられた」「あの中には私の思い出の品もあったのに」といった後々のトラブルを防ぐため、事前に親や兄弟姉妹などの相続人全員で「いつ、どのように実家を整理するか」を話し合い、全員の合意を得ておきましょう。
実家に一度来てもらい、現地の状況を見てもらった上で見積もりを依頼します。金額の安さだけでなく、スタッフの対応や質問への回答、保証内容などを比較し、最も納得のいく業者と契約を結びます。この際、作業希望日の1〜2ヶ月前から動き出すと、希望の日程を抑えやすくなります。
業者が入る前に、通帳、印鑑、権利書、遺言書、貴金属などの超貴重品や、自分たちで手元に残したい大切な写真アルバムなどをあらかじめ取り分けておきます。「残すもの」と「処分するもの」のエリアを明確に分けておくことで、作業当日の混同や誤処分を防ぐことができます。
基本的には、作業当日には家族の誰かが立ち会うのが望ましいです。プロのスタッフが作業を進める中で、想定外の場所から現金や重要な書類が見つかることがよくあるからです。その場で確認を受けながら進めることで、紛失を防げます。最後に空になった室内をチェックして作業は完了です。
実家じまいは、家の中を空にすることがゴールではありません。賃貸であれば大家さんへの引き渡し、持ち家であれば不動産会社を通じた売却活動や、建物の解体工事、あるいは相続登記といった手続きへ進みます。家を空にした直後から、これらをスムーズに移行できるように準備しておきましょう。
ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:実家じまいには、片付けだけでなく、不動産売却や相続手続きといった法律上の手続きがセットでついて回ります。最初から「片付けの後にこの家をどうするか」という出口の戦略を立ててから業者にアプローチをかけることが、二度手間や余計なコストを防ぐ最善の策です。
原則としては、作業当日の立ち会いをおすすめします。作業中に引き出しの奥などから貴重品や思い出の品が見つかるケースが非常に多いため、その場で「残す・捨てる」の判断ができるからです。どうしても遠方に住んでいる、または仕事の都合で立ち会えない場合は、「立ち会い不要(鍵を預けてすべて任せるプラン)」に対応している業者もあります。その場合は、事前に残したいものを入念に伝えることや、作業前後の写真を送ってもらうなど、密なコミュニケーションをとることが重要です。
はい、ワンストップサービスを提供している業者であれば可能です。片付け業者の中には、不動産会社や解体業者と提携している、あるいは自社で不動産事業や解体事業を行っている会社もあります。片付け、解体、売却までを1つの窓口で一括して依頼できれば、別々の業者を探して契約する手間が省け、費用全体のボリュームディスカウントが期待できる場合もあります。
すべてお任せいただくことは可能です。鍵を郵送等で業者に預け、見積もりから作業完了までを現地に行かずに完結させるサービスを行っている業者は増えています。ただし、顔を合わせないまま作業が進むため、業者選びはより一層慎重に行う必要があります。資格の有無、実績、見積書の透明性、そしてオンラインでの丁寧な説明をしてくれる業者を選びましょう。
ニコニコ終活アドバイザーからの一言アドバイス:遠方からのご依頼や、お忙しくて立ち会えないという場合こそ、信頼に値する誠実な会社を選ぶ必要があります。私たちは、そうした皆さまお一人お一人のご事情に合わせた、最適なパートナー選びを中立的な立場から全力でサポートいたします。
実家じまいをどの業者に依頼するかという選択は、大切な家族の思い出や財産を守り、自身の心身の負担を最小限に抑えて、トラブルのない円滑な生活再建を果たすために極めて重要なプロセスです。
実家の片付けは単なる不要品の処分にとどまらず、その後の相続手続き、不動産の売却や解体、さらには親族間での合意形成といった、人生の大きな転換期における複雑な終活手続きの一部として総合的に捉える必要があります。
ニコニコ終活は、実家じまいに伴う最適な片付け業者の選定はもちろん、その後に控える相続、不動産の売却・解体、親族間の調整まで、終活にまつわるあらゆるお悩みを全国対応で、何度でも完全に無料でご相談いただけます。お客様お一人お一人のご事情に寄り添い、専門家として最適な解決策を一緒に考えますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。